ジャカルタでのドライブと親切な警官

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ジャカルタに着いてしばらくは、会社で車と運転手を用意してくれていたのだが、「しばらくすると自分で全て用意すること」、というのが社内規定となっている。そこで、わたしの人生で初めて、新車を購入。トヨタのミニバンである。同国では現地生産のトヨタは他の日本車より割安感がある。運転手も雇い入れる。

はじめの三ヶ月は、こちらの交通ルールのハチャメチャさに圧倒されるばかり。自分で運転しようなどとは夢にも思っていなかった。交差点やラウンダバウト(ロータリー)では、先に割り込んだもの勝ち。普通に走っていても50センチ程度の隙間があればバイクが左右両方から抜いていく。道の真ん中で、おんぼろのバスが突然故障して動かなくなる。そこから人が道に飛び出してくる。その上、延々と続く渋滞。全てが想像を絶していた。

しかししばらく住んでいると、なんとなくルールもわかってくる。まずは、渋滞するのは主に平日だけということ。ジャカルタ郊外から大量に人が流入しているのだけど、かれらは休日には来ない。割り込み優先のルールも、皆スピードを出していない(出しようがないほど流れない)上に、しっかりぶつからない距離感覚は持っているようで、事故にはならない。無理な運転をしているのは、主におんぼろバスと怪しいタクシーだ。など。運転技術に関しては、誰もが下手だったベトナムと比べて(会社のドライバーでさえよくエンストしていた…)、こちらは日本人が見てもまあ上手な運転をする(前述のタクシーやバスは除く)。

私の勤めている米系の会社では、ほとんどの外人は週末は自分で運転するらしく、会社で免許も取ってくれる(といっても、試験場にいってお金を払って写真を撮るだけだが)。何かあったときの安全対策もしっかりしている。まあこれは、実は多くの日本企業では想像を絶する事態である。ジャカルタでは運転は絶対禁止という判断が多いようだ。私の勤め先でも、ベトナムも含めて運転禁止の国は勿論あるから、まあ相対的にジャカルタはOKと判断しているということなのだ。あとは各自の判断である。やりたい人はやればいいし、いやなら休日もドライバーに来てもらえばよい。

やってみてわかったが、このような国で運転するのは、実は気分的に大きな自由を味わう手段ともなってくる。ふと思い立ってちょっと近場に買い物や食事に行く。緊急時に病院にいく。当たり前のことを当たり前に出来ることが精神安定剤になるのだ。混雑時をはずせば、これは有意義な時間の過ごし方ともなる。仕事や趣味とは違う脳を使うし、道も覚えられる上、ドライブ中は夫婦の会話も弾むというものだ。

で、今回は、初めてちょっと離れた超モダンなショッピングモールに行ってみることにした。PACIFICPLACEという。お目当ては、ベトナムでもピカイチであった飲茶の店。クリスタルジェイド。

前回ドライバーに高速を使ってもらったら地道で行くより早かったので、早速自分でも高速を使ってみる。念入りにルートを頭に入れていたのだが、ひとつ誤算があった。高速の降り口がまったくよくわからないのである。降り口なのか、インターチェンジなのかはっきり書いていない。結局、インターチェンジで乗り換えるつもりが地道に降りてしまった。その上、ジャカルタの道の問題なのが、右折やUターンできる場所が非常に限られていて、しばらくはとにかくまっすぐ行くか左折するしかないということ。

まあ大体の方向で、妻も苦労してナビしてくれたおかげで、何とか目的地に近づいているような気がしてきた。ジャカルタインターチェンジという、4つくらいの高速が交差する場所に着いたと思われるのだが、どちらがどの道だか方向感覚がまったくわからない。このまま適当に行ってUターンできなくなっても困るし、と腹をくくって人に聞こうとするが、やはりその辺の人に聞くのも怖いし、バスやタクシーの運ちゃんも信用出来なさそう。ゆっくり走っていると、交通整理の警察のおじさんが。こちらの警察も、何かと賄賂を要求する人もいて問題あるのだが、背に腹は変えられず、声をかけてみる。これが正解だった。「そこでUターンして、はじめの門で左に曲がって、でもそこでは高速と書いたラインには絶対はいらないこと…」と懇切丁寧に説明してくれた。後ろで例のマナーの悪いバスがプープー鳴らしていたにもかかわらず、地図を見せると場所を確認してくれた。やはり親切な人はいるのだ。

というわけで、その後はスムーズに目的地へ。こんなところです。上にはファッションはもちろんヤマハ、ベスト電器や飲食店はじめ、映画館やキッザニアまである。開けてるなあ、ジャカルタ。
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そして、有難う、おまわりさん。

会社の同僚は皆親切だがそれは上流階級だからと割り切っていたし、ジャカルタでは庶民の親切さには全く期待していなかった。でも街に出たって親切な人もしっかりいるのだ。懐の深いインドネシアなのだから。

ジャカルタで初のロングドライブは、私達にとってジャカルタの印象を覆す貴重な経験となった。

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